
今年はジャズ関係の書籍はあまり読まなかったのですが、先日、ドラマーのポール・モチアン
が亡くなったこともあって読んでみました。ご存知、初期ビル・エヴァンス・トリオで、モチアンと
組んであの名盤を生み出したアコースティック・ベースの革命者、スコット・ラファロの伝記本で
す。
ラファロは25才という若さで事故死してしまったので、実質プロとしての活動期間は非常に
短いのですが、その音楽活動は、周知のエヴァンスはもとより、オーネット・コールマンやブッ
カー・リトルなど、当時の新進気鋭らにまで至っており、とても充実して内容の濃いものでした。
ラファロの絶大な影響力は、現代のジャズ・ベース界にまで至っているわけですが、元々は
サックス、クラリネット奏者だった彼は、数々の名演を残していた時点では、ベースに転向して
から7年ほどしか経っていなかったそうですからその早熟ぶりにまず驚いてしまいます。
この伝記本はファロの実妹のヘレン・ラファロを中心に、生前のラファロと交流のあったミュ
ージシャンらの証言によって、これまであまり明らかでなかったこの天才ベーシストの素顔が
描かれています。
ヘレンの証言からは、近親者ならではの視点で人間〜スコット・ラファロを、ミュージシャン
らのそれからは、一部コピー譜を引用しながら、不世出の天才ベーシストとしての彼を窺い
知れるようになっていますね。
ざっとこの伝記を読んでみてまず思ったのは、やはり早逝したエレクトリック・ベースの革命
児のジャコ・パストリアスとの共通点。エレクトリックとアコースティクという楽器の違いこそあ
れ、非常に似ている点が多いということです。
ラファロは実父が亡くなった際に、自分が25才で亡くなることを予見していたといいますし、
その自覚が故に、また生まれ変わってその音楽活動の続きをやらねばといったことまで言っ
ており、まるで生き急ぐかのようにパワフルに生きていたようです。
ジャコもまた生前、同じように自分の死を予見するような発言をしていたようですし、二人の
音楽的なアプローチにも、個人的に凄く共通したものがあるように感じました。
輪廻転生があるのかどうかは分かりませんが、25才という若さでその偉業の中断を余儀
なくされたラファロが、ジャコ・パストリアスという天才にまた生まれ変わって、エレクトリック・
ベースという新しい楽器でさらにその仕事を推進したのでは??・・・・そんな風にも思えてき
ます。
以前、ジャコの伝記本も読みましたが、全く違う時代に生きた違う人間にもかかわらず、そ
こに書かかれた内容は、このラファロの伝記本のそれと奇妙なくらい符合する点が多いですね。
もう、一時期聴くのが嫌になったくらい聴きこんだこの二人の参加しているアルバムを改め
てこの正月、ジックリ聴いてみようかなと思います。










