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2009年06月19日

2009:06:19:00:58:41

『ソングX』の衝撃/パット・メセニー&オーネット・コールマン

  数あるパット・メセニーの作品の中で、『ソングX』というアルバムがあ
 るのをご存じでしょうか?

ソングX:20thアニバーサリー
パット・メセニー&オーネット・コールマン チャーリー・ヘイデン ジャック・ディジョネット
ソングX:20thアニバーサリー
曲名リスト
1. ポリス・ピープル
2. オール・オブ・アス
3. ザ・グッド・ライフ
4. ワード・フロム・バード
5. コンピュート
6. ザ・ヴェイル
7. ソングX
8. モブ・ジョブ
9. エンデンジャード・スピーシーズ
10. ヴィデオ・ゲームズ
11. キャサリン・グレイ
12. 三角法
13. ソングX・デュオ
14. ロング・タイム・ノー・シー

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  メセニーが若い頃からフリー・ジャズの巨人、オーネット・コールマンの
 音楽に傾倒しているのは有名で、ことあるごとにオーネットの楽曲を取
 り上げていることからもその心酔ぶりが窺えますよね。

  1985年、そんなメセニーの熱烈なラブ・コールに応え、ついにオーネ
 ットとの夢のコラボレートを実現させたアルバムが、この『ソングX』とい
 う作品で発表当時は日本でもかなり話題になっていた記憶があります。


ornette.jpg


  というか、この当時、「あのひとは今」的な存在だったオーネットがこ
 のアルバムをキッカケに再注目され、オーネット単独での初来日公演
 が実現したくらいですからやはり相当衝撃的な出来事だったのでしょ
 う。(この公演は実際に聴きに行きました。)  

  そんな前評判の高さとは裏腹に、発表後のこのアルバムの評価とい
 うのがまさに賛否両論、いや散々なもので、メセニー自身は音楽的な
 成果が十分に得られたとコメントしているものの、ベストセラー揃いの
 メセニーの作品の中でダントツのワーストセラーを記録したといういわ
 くつきの問題作でもあるのです。(勿論、ちゃんと評価されている方も
 いらっしゃいましたが。)

  このアルバムを店頭予約までして購入した私は、オーネット独特の
 音世界とメセニーのリリカルなギターが溶け合った夢のように心地良
 い音楽をイメージしつつ、ドキドキしながらこの作品をターン・テーブル
 に乗せたことを今でも鮮明に記憶しています。


  ところが・・・・

  スピーカーから飛び出してきた音は、そんな私の甘い期待を大きく
 裏切る凄まじいもので、その暴力的ともいえる音、といいうよりはノイ
 ズの塊といった感じで卒倒しそうになりました。

  いや、正確に言うと、私が聴く前にイメージしていたものに近いもの
 もあったのですが、あまりにもノイジーなトラックの印象が強過ぎると
 いうか・・・・正直、このアルバムが自分にとってジャズ初体験でなくて
 本当に良かったなと今は思います(笑)もし、このアルバムを最初に
 聴いていたら、間違いなく今こうしてジャズを聴いていることはまずな
 かったでしょうね。

  けたたましく嘶くオーネットのアルト・サックス。それとは無関係に弾
 いているようにしか思えないヒステリックなギター。そして、やたらドタ
 バタとうるさいリズム陣・・・・当時の私には、4人が同時にバラバラの
 音楽を演奏しているようにしか聴こえなかったのです。

  ふたりがコラボレートしているというよりは、オーネットの超強力な
 音楽的磁場にメセニーが引きき込まれまいと必死にもがいているよ
 うな、そんなイメージでしょうか。

  あまりによくわからないので大音量で聴いてみたら、当時実家で
 飼っていた3匹の犬が一斉に吠え始めて、母親が血相を変えて私
 の部屋に飛んできた時点で、この作品を何とか理解しようとする私
 の気持ちはすっかり萎えてしまったのです。というか、ジャズという
 音楽を知ってからまだ日の浅かった当時の私には、とても歯が立
 つような作品ではありませんでした。


  あれから二十数年。一度もこのアルバムを聴いたことがなかった
 のですが、先日ふと思い立って、未発表曲6曲が追加されたこのア
 ルバムのリイシュー盤をネットで試聴してみたら、当時ほどの抵抗
 感がなくなっていることに気が付きました。(アマゾンのリンクからす
 べての曲が試聴可能です。)

  まあ、決して「聴きやすい」とか「心地良い」とまではいきませんが
 、リアルタイムで聴いた時のあの不快感は薄くなっていて、しっかり
 と聴きこめば、すべてではなくても彼らが当時やろうとしていたこと
 が、今なら何とかわかりそうな気がします。

  おそらく彼らは時代のずっと先を行っていて、20年以上経った現
 在、ようやく私の耳の方が追いついてきたといったところですね。

  それにしても、地位も名誉もすでに確立していた当時のメセニー
 が、賛否両論が巻き起こることを承知の上で、あえて自分がやりた
 いことを最優先させてこのようなアルバムをリリースしたことはやは
 り凄いことですね。しかも20年以上の月日が経過しているにもかか
 わらず、彼自らが監修に携わって、さらに完成度の高い作品に仕上
 げようというのですから音楽家としての彼の強い「信念」を感じざる
 をえません。

  話によると、リイシュー盤は未発表トラックが6曲追加されること
 によってかなり聴きやすくなっているとのこと。久しぶりにまたこの
 アルバムにじっくり耳を傾けてみたくなりました。とはいえ、まだま
 だ手強い相手には違いはありませんが・・・ 













ばな1.gif








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