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2009年07月08日

2009:07:08:00:12:57

他の楽器も達者なジャズ・メン達@

  ジャズ・ミュージシャンの中には「私はこの楽器しかやりません。」
 といった職人気質なひともいるにはいますが、天性、器用とでも言い
 ますか、自分の専門外の楽器にもかかわらず”プロ裸足”な腕前を
 持ったひとも大勢います。

  たとえば、ピアノという楽器の場合、大抵はこの楽器を入口にして
 音楽の道に入ることが多いということと、ジャズという音楽が高度な
 和声の知識と理解が必要不可欠ということもあってか、大方のジャ
 ズ・ミュ−ジシャンは、ピアノにかなり習熟しているケースが多いで
 すね。

  また、ピアノ以外の楽器、例えばドラムスやパーカッションなどの
 リズム楽器や自分の専門外の管楽器、弦楽器なども相当なレベル
 でプレーできるひとがいたり、色々な楽器をすべてこなしてしまうマ
 ルチな才能に恵まれたひとも中にはいるようです。

  今回この記事を書くにあたって、色々な音源をチェックしたり、不
 な点は色々調べてみたりしたのですが、セッションの成り行きでコ
 ッソリと演奏されたものから、自分の専門外の楽器でまるまる一枚
 のアルバムを作ってしまったツワモノまで本当に多種多様で、それ
 こそ大袈裟な話ではなく、それぞれの音源にそれぞれのドラマが付
 帯していてとても興味深いものがありました。

  ということで、今回、こういったちょっと変わり種な音源とそれにま
 つわるエピソードなどを私の思いつく限り簡単に紹介していこうと思
 います。

  なお、このシリーズ。結構な分量になりそうですから、数回に分け
 て、しかも不定期でアップするということでご了承下さい。

 
  
ヴァイブの王様、ライオネル・ハンプトンのドラムス。

  ヴァイブの王様、ライオネル・ハンプトンは、元々そのキャリアを
 ドラマーとしてスタートさせています。
  
  ルイ・アームストロングのレコーディングに参加した際に、御大か
 らスタジオにあったヴァイブラフォンをプレーするようアドバイスさ
 れたことがヴァイブ奏者、ライオネル・ハンプトンの原点というのは
 有名な話です。

  ハンプトンの場合、ドラムスもヴァイブも至芸の域に達していて、
 どちらがメインでどちらがサブとは言い難いものがありますが、ど
 ちらかと言うとヴァイブ奏者としてのイメージが強いですね。

  名盤『スターダスト』のタイトル曲では、彼の一世一代ともいえる
 素晴らしいヴァイブ・ソロを堪能することができます。また。ドラム
 スの方は彼の率いるビッグ・バンドでもよく披露されていました。




  ■芸達者なレイ・ナンス。

  デューク・エリントンのお抱えトランペッターのレイ・ナンス。この
 ひとはトランペット(コルネット)だけでなく、ヴァイオリンの腕前も
 相当なもので、もしかしたらヴァイオリン・プレーの方が評価が高
 いかもしれませんね。

  デューク・エリントンのビッグ・バンドでは、レイ・ナンスのヴァイ
 オリンは他のスター・ソロ・プレーヤー同様、大きな聴きもののひ
 とつでした。

  このレイ・ナンスというひと。トランペットやヴァイオリンだけでな
 く、ヴォーカルやダンスもこなすまさに”芸達者”なお方です。






  ■元祖マルチ・ミュージシャン、ベニー・カーター。

  優れた作編曲家でありバンド・リーダー、そして非常にソフィス
 ケートされたスタイルのアルト・サックス奏者でもあるベニー・カ
 −ター。
  
  彼は何と11種類もの楽器をこなすという”元祖マルチ・プレーヤ
 −”というべき存在で、そのスイートな音色のサックス同様、トラン
 ペットも素晴らしい音色でした。

  元々トランペット奏者だったようですが、発音方法が根本的に異
 なるこの二つの楽器をほとんど同等のレベルで吹きこなしたので
 すから、やはり異能のひととしか言いようがありません。

  そんな彼も、一時期は流行りのチャーリー・パーカー・スタイルに
 もチャレンジしたこともあるそう。

  マイルス・デイビスに「どうだ。バードみたいに聴こえるか?」と
 尋ねたところ、それに対するマイルスの答えがまたイカしていま
 す。

  「いいや。ベニー・カーターに聴こえるね。」と。




  ■ディジー・ガレスピーのピアノの力量。

  チャーリー・パーカーらとビ・バップを追求するため、故郷のセン
 トルイスからNYに出て来たマイルスにピアノを勉強するよう強く
 勧めたのがディジー・ガレスピーと言われています。

  また、マイルス自身も、後年ダウンビート誌が行ったアンケート
 で、注目のピアニストとして何とディジーの名前を挙げていること
 からもなかなか個性的なピアノを弾いていたことが窺われますね。

  パーカーのサヴォイ・セッションの中の「コ・コ」という急速調の
 曲では、吹けないマイルスに代わってトランペットを。パーカーの
 ソロのバックではなかなか達者なピアノ伴奏を披露しています。

  ここで聴かれるピアノは、彼だと言われなければわからない程
 極めてオーソドックス、かつ教科書的なものですが、ソロを弾い
 ているわけでもないので、実際どれ程の腕前なのかは未知数で
 すね。

  後年、彼はピアノ・アルバムも作っているらしいのですが、レビ
 ューを読むと評価は微妙な感じで、私は買って聴く勇気がありま
 せん(笑)

  ちなみに、ディジーはドラムやパーカッションの達人だったそう
 で、ケニー・クラークやマックス・ローチらと同様、モダン・ジャズ
 ・ドラミングの基礎を作るのに一役買ったものと思われます。




 ■アート・ブレイキーもピアノを弾いていた?

  ドラムスのアート・ブレイキーは元々はピアニスト志望だったよ
 うで本人曰く相当なものだったとのこと。

  ピアニストとして生計を立てていた彼は、ある日突然、どんな事
 情でそうなったのかはわかりませんが、出演していたクラブのオ
 ーナーにピストルで脅され、ほとんど無理矢理ドラマーに転向さ
 せられたのだとか。

  ところが、ドラマーに転向してからは鳴かず飛ばず。聴くに堪え
 ぬ演奏に観客から罵声を浴びることも度々だったという彼に、あ
 のディジー・ガレスピーがワンポイント・アドバイスを伝授。

  このレッスンはステージの休憩中に行われたというのですが、
 次のセットではアラ不思議!あのアート・ブレイキー・スタイルで
 ビシバシとタイコを叩いて周囲を唖然とさせたとかさせないとか・
 ・・・

  まあ、半分ホラ話でしょうが(笑)前述のガレスピーがビ・バップ
 ・ドラミングに大きく関わっていたことを裏付けるエピソードではあ
 りますね。いや、この場合、ブレイキーのピアニストとしての素養
 が、彼の複雑で独特のドラム・スタイルを形成するのに役立った
 と言うべきでしょうか。

 
 
  ということで、今回はここまでということで・・・また次回に続き
 を書きますね。今度はもう少し最近のプレーヤーについても触
 れようかなと思っています。






ばな1.gif







posted by sou-un at 00:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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